居場所のない若者、22万人——現場監督として思うこと
社会課題 / 若者支援 / 建設業
居場所のない若者、22万人
——現場監督として思うこと
現場監督歴35年以上 レオ管理職・経営者向け
先日、気になる数字を見た。「どこにも居場所がない」と感じる若者が22万人を超えるという。「誰にも相談できない」と感じる若者は推計約145万人。不登校の人数に匹敵する数字だという。正直、もっと多いんじゃないかとも思う。
22万人+
「どこにも居場所がない」と感じる若者
145万人
「誰にも相談できない」と感じる若者(推計)
21.8%
「どこにも相談できる人がいない」と答えた若者の割合(内閣府調査)
35年、建設現場に立ち続けてきた。その現場で、私は何人もの「居場所のない若者」を見てきた気がする。
現場にも「居場所のない若者」はいる
建設現場は、ある意味で「駆け込み寺」だった時代がある。
学校になじめなかった子、家庭に問題を抱えた子、社会のどこにも入れなかった子。そういう若者が現場に流れ込んできて、職人の親方に怒鳴られながらも、少しずつ居場所を見つけていった。
「現場しかなかった」という若い職人の言葉を、何度聞いたことか。
でも今は違う。建設現場は「きつい・汚い・危険」というイメージが先行し、若者が来なくなった。来たとしても、長時間労働・厳しい人間関係についていけず、すぐに去っていく。
「使命を見つける」ということ
記事の中に、若者支援に取り組むNPO団体の話があった。居場所と住まいを失った若者に寄り添い、就労まで伴走する支援をしているという。支援を受けた若者が、今度は別の若者のために働く側に回る。そういう循環が生まれているという。
「ここには、いろんな子がたくさん来るけど、諦めずに接していきたい」
——若者支援NPOスタッフの言葉
この言葉を読んで、胸が熱くなった。これは現場監督の仕事と同じだと思った。どんな若手でも、諦めずに関わり続ける。怒鳴るのではなく、隣に立って手を動かしながら教える。「また来るから」と声をかけ続ける。それが人を育てるということだ。
建設業が「居場所」になれるか
少子化が進む中、建設業界は深刻な人手不足に直面している。でも私は思う。建設現場こそ、居場所のない若者の「再出発の場」になれるのではないかと。
建設現場が持つ可能性
手に職がつく。達成感がある。チームで一つのものを作り上げる喜びがある。完成した建物が街に残り続ける誇りがある。
ただし、それを実現するには条件がある。管理職が「使命を引き出す」覚悟を持つことだ。怒鳴って終わりではなく、寄り添い続ける。失敗しても切り捨てない。その若者の「居場所」を現場の中に作る。それができる管理職がいる会社だけが、これからの時代を生き残れると私は信じている。
カウンターから
35年間、私は現場で多くの若者と出会ってきた。うまく育てられた若者もいる。うまくいかなかった若者もいる。もっと寄り添えばよかったと後悔している若者もいる。
居場所のない若者が22万人いるこの社会で、現場監督として、管理職として、私にできることはまだあるはずだ。
今夜も一杯やりながら、そんなことを考えている。
※ 本記事の統計数値は内閣府「子供・若者白書(令和4年版)」を参考にしています。



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