私たちが次の世代に残せるもの——現場監督として、一人の人間として
社会課題 / 次世代 / 建設業・環境
私たちが次の世代に残せるもの
——現場監督として、一人の人間として
現場監督歴35年以上 レオ管理職・経営者向け
ある気象キャスターの言葉、素直にいいなと思った。子どもの純粋な瞳を見て、こう思ったという。「私が残せるものって、何だろう」。シンプルだけど、深い問いだ。
「私が残せるものって、何だろう」
10年以上、気象キャスターとして気候変動の現実を伝え続けてきた女性がいる。
異常気象が増えた。台風が強大化した。季節の境目が曖昧になった。その現実を毎日伝えながら、ある日、子どもたちの純粋な瞳を見て思ったという。
「私が残せるものって、何だろう。」
この問いを読んで、なるほどと思った。
58歳。35年間、建設現場に立ち続けてきた。この問いは、私自身への問いでもあると思った。
建設業と自然は、切っても切れない
建設現場は、自然と直接向き合う仕事だ。
地盤の状態が現場を左右する。雨が工程を狂わせる。猛暑が職人の体を蝕む。台風が足場を吹き飛ばす。自然の変化は、現場に直接影響する。
35年前と比べて、現場環境は明らかに変わった。夏の暑さが違う。雨の降り方が違う。「これくらいの天気なら大丈夫」という経験則が通用しなくなってきた。
現場で感じる気候変動のリアル
熱中症対策が年々厳しくなっている。かつては「水を飲め」で済んでいたが、今は作業時間の管理、冷却設備の設置、定期的な休憩が必須になった。現場の安全管理と気候変動は、今や切り離せない問題だ。
建設業が次世代に残せるもの
その気象キャスターは言う。気候変動を「自分事」として捉えることが大切だ、と。
建設業も同じだと思う。環境問題を「別の話」にしていてはいけない。私たちが建てる建物は、50年・100年先まで残る。その建物がどれだけ環境に配慮されているか。それが次世代への「贈り物」になるか「負の遺産」になるかを決める。
建設業が次世代に残せること
- 省エネルギーで長持ちする建物を作る
- 廃材を減らし、リサイクルを徹底する
- 緑を残し、自然と共存する現場づくりをする
- 若い技術者に「環境への責任」を伝える
- 安全で美しい街並みを、100年先まで残す
管理職として問われていること
「私が残せるものって、何だろう」
この問いは、現場監督・管理職にとっても本質的な問いだと思う。
技術を残せるか。人を育てられたか。安全な建物を世に送り出せたか。そして、次の世代が誇れる街を作れたか。
現場監督の仕事は、モノを作ることだけじゃない。未来を作ることだ。
カウンターから
35年間、どれだけのものを残せただろうか。建物は残った。でも技術は?人は?環境は?
「私が残せるものって、何だろう」——その問いを、管理職の皆さんにも一度、ゆっくり考えてほしい。
今夜も一杯やりながら、そんなことを考えている。
※ 本記事は気象キャスターネットワーク理事長・井田寛子さんの活動をもとに、筆者の現場経験を交えて執筆しています。



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