建設業は「3K」と言われてきた。きつい、汚い、危険。
でも給与については、もうそのイメージは古い。少なくとも大手ゼネコンや上場クラスの建設会社では、話が全然違う。
58歳所長のリアルな給与
私の現在の年収は、5年前の入社時800万円台の1.6倍ほどになっている。単身赴任で各種手当が積み上がった結果だ。
内勤や自宅から通える職員とは条件が異なる。単身赴任手当や外勤手当など、現場系ならではの手当が大きい。それも含めての数字だ。
給与の内訳はざっくりこんな感じだ。基本給に加えて、外勤手当、職免手当、生計手当、単身赴任手当、外食手当——各種手当が積み上がる。残業代も含めると、月の手取りはかなりの額になる。
若手もすごい
驚くのは若手の水準だ。
13年目の社員でも年収1,000万円近くになる。今月は残業代を含めると、私より多かったくらいだ。
3年目でも月の額面は50万円を超え、ボーナス5ヶ月分を合わせると年収700万円以上になる。
「どうよ」って感じだ。
初任給も変わった
高卒でも初任給30万円を超えるようになった。
かつては「建設業は給料が安い」と言われていた。今は違う。人手不足の中で、業界全体が給与水準を引き上げている。
給与が上がっても、意識は上がらない
ここからは少し苦言を呈したい。
給与水準が上がったことで、若手の中に「これで十分」という空気が生まれている。感謝もない。より頑張ろうという気概もない。
所長になりたがらない若手が増えている。責任が重くなるのに、給与の上がり幅がそれに見合わないと感じているのかもしれない。でも本質はそこではないと思っている。今の立場で十分な給与があるから、あえてリスクを取る必要がない——そういう考え方が根付いてきているのだ。
地方出身者のUターン問題
もうひとつ気になることがある。
地方出身の若手にありがちなのが、Uターン転職だ。地元に帰りたい。親の近くにいたい。その気持ちはわかる。
でも今の給与水準に慣れてしまうと、地元企業では到底カバーできない。給与の落差が大きすぎて、現実的にUターンができなくなっている。
今の給与が「当たり前」だと思っていないか。一度立ち止まって考えてほしい。
経済は浮き沈みがある
私は経験している。ボーナスがゼロの時期を。
今の会社も、過去にそういう時期があったという。どんな大手でも、経済の波には逆らえない。
リーマンショック、コロナ、そして今のナフサショック——経済は必ず浮き沈みする。今の好待遇が永遠に続く保証はどこにもない。
そのとき、今の若者はどう対応できるのか。正直、少し心配している。
給与に甘えず、スキルを磨け。資格を取れ。自分の市場価値を上げておけ。それが、どんな時代が来ても生き残れる唯一の方法だと思っている。
65歳まで昇給が続く
もうひとつ、この会社の大きな特徴がある。
65歳まで昇給が続く。
多くの企業では50代に入ると昇給が止まる、あるいは役職定年で給与が下がるケースが多い。でもここは違う。65歳の定年まで毎年昇給が続く。
これは本当に大きい。
資産形成の観点からも、65歳まで収入が伸び続けるというのは、老後設計に大きな安心感をもたらす。単純に給与水準だけで会社を選ぶのではなく、こうした制度面も含めて総合的に判断することが大事だと思っている。
それでも人が来ない現実
給与が上がっても、若い人が来ない。
「きつい・汚い・危険」のイメージが先行している。現場仕事への偏見がある。でも実態は、給与水準も労働環境も、かつてとは別物になりつつある。
建設業界で働くことを、もっと多くの若者に知ってほしい。現場監督という仕事の面白さと、それに見合った報酬があることを。
今夜も一杯やりながら、そんなことを考えている。


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