58歳現場監督、AIと技術士に挑む。Day1
技術士への道 / Day1 / 建設業・施工管理
58歳現場監督、AIと技術士に挑む。
Day1——担い手確保の問題は、
うちの現場そのものだった。
現場監督歴35年以上 レオ 2026年5月17日
2026年5月17日。今日から私はAIと一緒に技術士二次試験の勉強を始めた。58歳。現場監督歴35年。一級建築士・一級建築施工管理技士の資格は持っている。それでも技術士を目指す理由がある。「どんな人にも使命がある。」それが私の信念だ。だからこそ、自分自身も諦めない。60歳を前に、最後の難関資格に挑む。
AIとの学習メソッド——5ステップの型
今日から始めたAIとの勉強には、毎回決まった流れがある。この型を繰り返すことで、バラバラな知識がストーリーとして積み上がっていく。
毎回のキーワード練習「5ステップの型」
| 1 | 5分 現場で見たことある? キーワードを一言で説明し「現場で似た経験は?」と問いかける。自分の体験と結びついた知識は忘れにくい。これが最重要。 |
| 2 | 10分 マンガ的に理解する 「国が困っている→誰が何をする→現場はどう変わる」というストーリーと図解で概念を掴む。 |
| 3 | 20分 論文の骨格を一緒に作る 「課題・解決策・リスク・倫理」4段構成を穴埋め形式で。私が答え、AIが補足・修正する繰り返し。 |
| 4 | 5分 3秒カードを作る そのキーワードの本質を「1文」で決定。試験前日の最終確認カードになる。 |
| 5 | 5分 次回への橋渡し 今日のキーワードと次のつながりを一言で確認。バラバラに覚えず、ストーリーの続きとして積み上げる。 |
今日の現場から——問題は教科書の中にはなかった
今日の第1回セッションのテーマは「担い手確保・働き方改革」。勉強を始めてすぐ気づいた。これ、うちの現場の話だ。
工程が大幅に遅れている現場がある。来週から雨が続く予報。所長として外壁3業種を今週中に動かす判断をした。全責任は私が負う。しかし若い主任は消極的で、自ら行動を起こさない。その本音を聞いたとき、思わず言葉が出なかった。
「どうせ最後は終わる。だから動かなくていい。」
これが今の若手の本音だ。責める気にはなれない。この業界がそういう文化を作ってきたのだから。
数字が示す建設業の現実
| 約300時間 他産業より長い年間労働時間 | 約10pt 29歳以下就業者比率が全産業平均より低い | 110万人 2025年までに離職予測の50歳以上技能労働者 |
今日学んだ4つの課題
担い手確保の4本柱
| ① | 経験知の属人化・技術継承の断絶 工程管理の判断力や経験知が所長にしか蓄積されず属人化している。所長の退職とともに現場対応能力が失われる。 |
| ② | 情報共有の形骸化 記録・メールなどのツールはある。でも使われていない。「蓄積」と「活用」は別物だ。 |
| ③ | 長時間労働文化の固定化 「どうせ最後は終わる」という突貫工事の慣行が、若手が自ら考える力を奪っている。 |
| ④ | キャリアパスの構造的崩壊 給与は上がった。でも「所長になりたくない」若手が増えている。責任・権限・生活の質が両立できるキャリアモデルが必要だ。 |
技術者倫理パート——私が所長を続ける5つの理由
技術士試験では「技術者倫理」が問われる。なぜ自分はこの仕事を続けるのか。それを言語化することが論文の倫理パートになる。
🏗️ 私が現場所長を続ける5つの理由
- 専門性——一級建築士・監理技術者として社会に必要とされている
- 生活・将来——定年・再雇用を経た安定した老後設計。あと数年で次のステージへ
- やりがい——大型マンション1物件に集中する精神的・肉体的な充実感
- ワークライフバランス——地方赴任中は通勤時間が短く、プライベートの時間が確保できている
- 組織風土——設備・安全・施工推進の各専門部署が整った、風通しのよい職場
私が現場所長として職務を継続する根拠は、一級建築士・監理技術者として社会インフラの品質と安全を担う専門的責任にある。同時に、次世代の技術者が同じ責任を担えるよう、自らの経験知を組織の財産として継承することが、技術者として果たすべき最大の使命だ。
今日の3秒カード
📋 試験前日の最終確認用
属人化
所長の頭の中にしかない状態。解決策は経験知の「見える化」で組織の財産にする
担い手問題の新局面
「給与は上がった。でも所長になりたくない。」処遇改善だけでは解決しない。構造改革が必要
ワークライフバランスの時代
お金では買えないものを若手が優先し始めた。責任・権限・生活の質が両立できるキャリアモデルが必要
次回への橋渡し——Day2のテーマ
📅 第2回セッションのテーマ
「担い手確保・働き方改革——解決策の深掘り」
私の会社がすでに取り組んでいること——設備課・安全課・施工推進課の支援体制を「所長を支える組織モデル」として論文の解決策に変える。さらにCCUS・BIM/CIM・週休2日制度を具体的な解決策として肉付けしていく。
カウンターから
35年現場に立ち続けて思う。若手が「動かない」のは、彼らのせいじゃない。動かなくても終わる現場を作ってきた、私たち世代の責任でもある。
技術士試験の勉強をしながら、改めてそれを痛感している。この試験に合格することが目標じゃない。勉強を通じて、自分がまだ知らなかった「現場の本質」を掘り下げていく。そしてそれをここに書き残していく。
どんな人にも使命がある。——それが私の信条だ。
今夜も一杯やりながら、そんなことを考えている。



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