マンションのフローリングは水に注意!

現場の話

多くの分譲マンションでは内覧会が催されます。

期待に胸躍るお客様と緊張の施工者との顔合わせは独特の雰囲気がありますね。

そうした中、私はこの最初で最後の機会大事にしたいと思っています。

それは、建築のプロとして、これから何十年と生活する家のことを、

住まわれる方に少しでも多く知ってもらいたいという思いからです。

その一つが「床のフローリングは水に注意する!」ということ。

そんなこと営業も内覧会の担当者も恐らく一言も触れないと思います。

また、素人でも水に注意することぐらいは想像できるとの意見があるかもしれません。

でも、最近のマンションで使われている高級そうなフローリングは

戸建て住宅で使われているフローリングと大きな違いがあることを認識する必要があります。

それは特に「直貼りフローリング」と呼ばれるフローリングです。

踏むと足触りが軟らかくクッション性のあるフローリングです。

モルタルやコンクリートに直接貼り付ける(ボンド貼りする)タイプの床材です。

住宅の場合も最近は構造用合板に直接固定するフローリングを採用しますが、

大きな違いは、遮音等級を必要とする「直貼りフローリング」は

その遮音等級を必要とするため、ラバー加工がされています。

そのラバーがクッションとなり、音が下の階に伝わるのを遮る効果があります。

ただし、デメリットとして水を含むとスポンジのように水を吸収する性質があります。

これが非常に厄介な性質なんです。

過去に建てた物件で何件か水の事故があり、手直しに数十万円単位のコストがかかりました。

コップやグラス程度の水をこぼしたくらいなら、あまり問題は起きないのですが、

水槽お風呂の残り湯を誤ってこぼしてしまった場合には、被害は甚大となります。

実際にお風呂の残り湯を送る洗濯機へのホースから誤って床にこぼしたケースでは、

廊下、洋室、リビングの床まで浴槽の残り湯すべてが行き渡り、

直貼りフローリングのスポンジはその残り湯を見事に吸収し、

下の階への漏水が全くなかった半面、フローリングは床下浸水の状態になってしまいました。

当然、残り湯を含んだ床のフローリングは全て張り替える必要があり、

大がかりな工事となるため、入居者の方に部屋を移動して頂いての作業となりました。

本当にあの時は「えらいこっちゃ」と思いました。

今の分譲マンションは直貼りフローリングが主流です。

この流れは変わることはないと思いますが、そのメリット・デメリットは認識しておいてください。

快適な新生活を送る上でも少なくとも知っておいて損はないと思います。

ではでは、次回も内覧会でお伝えしていることを書いていきたいと思います。

よろしくお願いします。

フローリングメーカーの注意事項

各フローリングメーカーも取扱説明書に「水濡れ注意」を明記しています。入居時に必ず確認しておきましょう。万が一水をこぼした場合はすぐに拭き取ることが大切です。長時間放置すると修復不可能なダメージになる場合があります。

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